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おかえりなさいませ。
Please answer a few questions.
いくつか 質問に お答えください。
oo

ooHave you finished reading the character sheet for Simon Vitrazli and Tachibana?
シモン・ヴィトラズリと 橘のCSは 読み終わりましたか?
oo

ooAs of now, do you have any questions about Simon, Merlow, or Tachibana?
現時点で シモン メルロウ 橘について ご質問は ありますか?
oo

ooWould you unlock the subject's vision?
被検体の 願いを 叶えますか ?
oo

oo【Chapter1: 実験記録 (Experiment Log)】
記録日: XXXX年XX月XX日
oo
現状
被験体候補の強制収容を完了しました。
総計37名の未成年者を対象とし、任意同行の痕跡を完全に排除した形で回収を実施します。
対象者は全員、家庭環境または社会的背景に問題を抱える層から選ばれました。
厳格な検査とスクリーニングの結果、最終的に16名を実験対象として正式に選定。
選定された16名は、被験体用施設(サイト-XX)へ移送済みです。
現在、メビウスの輪埋め込み手術に向けた適合試験および術前負荷試験(Pre-Embedding Stress Test)を進行中です。
oo
音声記録(抜粋)
場所: サイト-XX
記録対象: 被験体No.XX(メルロウ)および被験体No.XX(ナヴィ)
注記: 以下の記録は、被験体間の対話および行動観察を目的として自動録音されたものです。
[音声記録開始](観察室内、被験体No.XX(メルロウ)が部屋の隅で膝を抱えている。ぬいぐるみを握りしめている。そこへ被験体No.XX(ナヴィ)が近づく。)ナヴィ: 「ようこそ、俺たちの理想郷へ。 かわいらしい“お友達”だね?」
メルロウ: 「……誰…?」(小さな声で、警戒するようにナヴィを見る)
ナヴィ: 「あははっ、 怖がらなくていいよ。俺、ナヴィ。よろしくな。君につけられた名前は?」
メルロウ: 「…メルロウ、?」
ナヴィ: 「メルロウ、いい名前じゃん!ほら、この子にも挨拶な」(ぬいぐるみに軽く手を振ってみせる)
「連れてこられたときは怖かったろ? 俺もだよ。けど、仲間がいれば平気だろ? 俺も他の子も、みんな地上で色々あってここに来たんだ」
(ナヴィの穏やかな口調に、メルロウの肩の力がわずかに抜ける。)メルロウ: 「…なんでこんなとこに連れてこられたの? 何も悪いことしてないのに…」
ナヴィ: (少し考えるように首を傾げる)「んー、難しい質問だな。俺も同じこと思ったよ。けど、ここにいる大人たちは何か“すごいこと”を企んでるっぽい。俺も早く大人になって、そういうことしてみたいなー」
メルロウ: 「ナヴィ、大人に…? なりたくない…子供のままで、いい」
ナヴィ: 「あははっ、そっか! でもさ、メルロウ、面白いな。俺と真逆だ! 」
メルロウ: 「…やっぱり、みんなと同じ方がいいのかな」
ナヴィ: 「全然?いいじゃん、違っても。そんなことよりさ、あっちでご飯貰おうよ」
(二人は座り、話を続ける。ナヴィはメルロウの右でスプーンを持ち、箸を左で持つ手に気づき、目を輝かせる。)ナヴィ: 「お、ちょっと待て。メルロウ、クロスドミナンスなの?」
メルロウ:「クロスドミナンス…って、何?変ってこと…?」
ナヴィ: 「ちがうちがう、物によって使いやすい手が違う人のことをそう呼ぶんだよ!でもって、俺もクロスドミナンスなんだ!!初めて同じ人に会ったよ!!」
メルロウ: (目を丸くする) 「ほんと? 馬鹿にされること多いのに…」
ナヴィ: 「馬鹿にするやつなんて、関係ないよ!俺たち、特別な才能持ってるんだよ!」
メルロウ「特別…そっ、か」
(小さく笑い、自分の手を見せる。)
メルロウ: 「…ねえ、ナヴィは怖くないの? ここ、変なとこだよ…」
ナヴィ: 「怖いよ。けどさ、強く願い続ければ、想いは叶うって信じてる。俺、早く大人になって、研究者になるって決めてるんだ。世界の秘密、ぜんぶ解き明かしたいんだよ!」
メルロウ: 「強く願う…?」
ナヴィ: 「そう! 俺は世界を変える発見をするって願う。メルロウは何願う?」
メルロウ: 「…大人になりたくない。ずっと、子供のまま…自由でいたい」
ナヴィ: 「いいじゃん、それ。きっと叶うよ。お互い頑張ろうな!」 (二人で小さく笑う)
[音声記録終了]観察記録
・被験体No.XX(ナヴィ)の高い社交性および被験体No.XX(メルロウ)への心理的安定効果を確認。ナヴィの共感力とリーダーシップが他の被験体に影響を与える可能性が高い。
・メルロウはナヴィとの対話後、精神的安定が顕著に向上。クロスドミナンスの共通点が信頼関係の構築に寄与したと推測。
oo
進捗
被験体には順次、極限環境下での心理・生理応答試験(Pre-Embedding Stress Test)が実施され、想定を超える高い脱落率が観察されています。
現時点で、複数名に深刻な拒絶反応および機能停止が確認されており、本段階では、手術移行段階に位置付けられていません。
メビウスの輪埋め込み手術は、状況に応じて順次実施される予定ですが、現段階では十分な数の適格被験体を確保することが最優先課題とされています。
これまでに他サイトにて数名の被験体が手術を受けたものの、負荷耐性が不足しており、全員が死亡しています。
oooo【Chapter2: 実験記録 (Experiment Log)】
記録日: XXXX年XX月XX日
oo
現状
選定された16名の未成年被験体のうち、14名が術前負荷試験中に脱落しました。
脱落の原因は以下の通りです:
・急性拒絶反応: 8名が試験中の極限環境下で生理的限界を超え、臓器不全または全身性の機能停止に至りました。
・重度精神崩壊: 4名が試験による心理的負荷に耐えきれず、不可逆的な精神破綻を呈しました。
・自傷・暴走行為: 2名が試験中に異常行動を発現し、自己または他者への危害を及ぼしたため、処分措置が講じられました。
現在、生存している被験体は以下の2名のみです(術前負荷試験の結果を受け、新たにナンバリングを実施):
・被験体01(ナヴィ、旧No.XX)
・被験体02(メルロウ、旧No.XX)
両被験体は、術前負荷試験において高い耐性を示し、現時点でメビウスの輪埋め込み手術への移行可能性を保持しています。
ただし、試験の過酷さにより、両者の生理・心理状態は綿密な監視下に置かれています。
oo
進捗
メビウスの輪埋め込み手術は、被験体01および被験体02の適合試験の最終結果を待って実施する予定です。
現段階では、両被験体の生体適合性および負荷耐性のデータ収集を優先し、追加のスクリーニングを進行中です。
被験体01(ナヴィ)は、優れた知性と社交性を示し、試験中のストレス環境下でも冷静な判断力を維持しています。
一方、被験体02(メルロウ)は、ナヴィとの強い信頼関係により、精神的な安定を保っています。
両者の相互作用が、生存率および試験耐性に有意な影響を与えている可能性が高いです。
oo
備考
被験体01(ナヴィ)および被験体02(メルロウ)は、強制収容直後から極めて親密な関係を築いています。
過酷な実験環境下においても、両者は常に互いを精神的に支え合っており、この安定した相互関係は、精神破綻の抑制および生存率の維持に対して極めて有意な影響を及ぼしていると考えられます。

oo【Chapter1: 実験記録 (Experiment Log)】
記録日: XXXX年XX月XX日
oo
現状
被験体候補の強制収容を完了しました。
総計37名36名の未成年者を対象とし、任意同行の痕跡を完全に排除した形で回収を実施します。
対象者は全員、家庭環境または社会的背景に問題を抱える層から選ばれました。
厳格な検査とスクリーニングの結果、最終的に16名15名を実験対象として正式に選定。
選定された16名研究員1名(橘)を含む16名は、被験体用施設(サイト-XX)へ移送済みです。
現在、メビウスの輪埋め込み手術に向けた適合試験および術前負荷試験(Pre-Embedding Stress Test)を進行中です。
当該研究員は従来通り、被験体との自然な接触環境を維持しつつ観察・記録を行うとともに、被験体心理の安定化を担う役割を果たしています。今回、研究員(橘)はナヴィという名前を名乗る。
他の子供たちと同じように誘拐されてアガルタに連れてこられたという設定のもと、被験体に対して偽名を使い、親しみやすく声をかけている。
oo
音声記録(抜粋)
場所: サイト-XX
記録対象: 被験体No.XX(メルロウ)および被験体No.XX(ナヴィ)
注記: 以下の記録は、被験体間の対話および行動観察を目的として自動録音されたものです。
-省略-oo
観察記録
・被験体No.XX(ナヴィ)研究員(橘)の高い社交性および被験体No.XX(メルロウ)への心理的安定効果を確認。ナヴィの共感力とリーダーシップが他の被験体に影響を与える可能性が高い。
・メルロウはナヴィ研究員(橘)との対話後、精神的安定が顕著に向上。クロスドミナンスの共通点が信頼関係の構築に寄与したと推測。なお、研究員(橘)は両利きであるが、メルロウとの距離を詰めるためにクロスドミナンスのフリをして接しています。
oo
進捗
被験体には順次、極限環境下での心理・生理応答試験(Pre-Embedding Stress Test)が実施され、想定を超える高い脱落率が観察されています。
現時点で、複数名に深刻な拒絶反応および機能停止が確認されており、本段階では、手術移行段階に位置付けられていません。
メビウスの輪埋め込み手術は、状況に応じて順次実施される予定ですが、現段階では十分な数の適格被験体を確保することが最優先課題とされています。
これまでに他サイトにて数名の被験体が手術を受けたものの、負荷耐性が不足しており、全員が死亡しています。
oooo【Chapter2: 実験記録 (Experiment Log)】
記録日: XXXX年XX月XX日
oo
現状
選定された16名15名の未成年被験体のうち、14名が術前負荷試験中に脱落しました。
脱落の原因は以下の通りです:
・急性拒絶反応: 8名が試験中の極限環境下で生理的限界を超え、臓器不全または全身性の機能停止に至りました。
・重度精神崩壊: 4名が試験による心理的負荷に耐えきれず、不可逆的な精神破綻を呈しました。
・自傷・暴走行為: 2名が試験中に異常行動を発現し、自己または他者への危害を及ぼしたため、処分措置が講じられました。
現在、生存している被験体は以下の2名1名のみです(術前負荷試験の結果を受け、新たにナンバリングを実施):
・被験体01(ナヴィ、旧No.XX)
・被験体02(メルロウ、旧No.XX)
両被験体は、術前負荷試験において高い耐性を示し、現時点でメビウスの輪埋め込み手術への移行可能性を保持しています。
ただし、試験の過酷さにより、両者の生理・心理状態は綿密な監視下に置かれています。
oo
以下の記録は被験体01(ナヴィ)研究員(橘)への変更のみのため省略。
oo

oo【Chapter3: 実験記録 (Experiment Log)】
記録日: XXXX年XX月XX日
oo
現状
被験体01(ナヴィ)に対し、メビウスの輪埋め込み手術を実施しました。
本実験における初の生存者となり、過去の被験体とは異なり、術直後の即時死亡は回避されました。
しかし、術後検診において、ナヴィの体内に異常な変化が観測されました。
具体的には、ナヴィの身体を構成する情報が観測されるたびに、身体構造が崩壊し、急激な老化現象が進行することが判明しました。
現在、ナヴィの外見は10代前半の少年のままですが、内部の臓器機能は70~80歳相当にまで劇的に衰退しています。
この状態では、戦闘用途のミュータントとしての活用はもちろん、研究員として雇用する当初の計画も実現不可能です。
実年齢と体内年齢の乖離により、ナヴィは大人になる前に死亡する可能性が高いと推定されます。
被験体02(メルロウ)については、実験プロトコルの大幅な改良が必要と判断され、手術は1年後のXXXX年XX月XX日に延期されました。
メルロウは現在も術前負荷試験のモニタリングを継続し、異常性発現の兆候を注視しています。
oo
進捗
ナヴィを長期的に観察する余裕を持たない方針です。
ナヴィの存在を確定させ、処分するための解剖スケジュールを調整中です。
それまでは、ナヴィをサイト-XXの個室隔離ユニットに収容し、厳重な監視下に置きます。
被験体02(メルロウ)の手術に向けては、ナヴィの失敗データを基に、プロトコルの改良を進め、成功率の向上を目指します。
oo
備考
被験体01(ナヴィ)と被験体02(メルロウ)は、引き続き極めて親密な関係を維持しています。
メルロウは毎日ナヴィの隔離ユニットを訪れ、対話を続けています。
ナヴィは、身体の衰弱により動き回ることはできませんが、依然としてメルロウの質問に答え、共に考える姿勢を崩しません。
しかし、ナヴィの目に見える落ち込みと、繰り返し口にする「大人になりたかった」という言葉は、メルロウの心理的負担を増大させている可能性があります。
施設内の全通信は遮断状態を維持し、異常事態に備え、24時間体制で監視を継続します。
oo
oo
【Chapter4: 実験記録 (Experiment Log)】
記録日: XXXX年XX月XX日
oo
現状
被験体02(メルロウ)に対し、メビウスの輪埋め込み手術を実施しました。
本手術は、被験体01(ナヴィ)の反応を基に、慎重に実施されました。
結果、メルロウは生存し、本実験における2例目の生存者となりました。
しかし、不死の実験としては失敗と判定されました。
以下、主要な観測結果です:
・メルロウの身体構成に関する情報が外部から完全に観測されない限り、死亡状態が発生しないことが確認されました。
ただし、観測行為が進行すると、身体構造の崩壊リスクが依然として存在します。
・複数の臓器(特に肺及び胃)において、発達未了と加齢兆候が混在する異常な状態が観察されました。
被験体01(ナヴィ)に比べ、老化の進行は抑制されているものの、完全な安定には程遠い状態です。
・本来、記憶操作は実験計画に含まれておりませんでしたが、メルロウの改造以前の記憶が大幅に喪失しました。
瞬間記憶能力にも悪影響が及び、認知機能の低下が確認されています。
これらのリスクを承知の上で、実験の進行を優先しました。
現在、メルロウは隔離ユニットにて術後観察中です。
身体的・精神的安定性を評価するため、綿密なモニタリングを継続しています。
oo
進捗
被験体02(メルロウ)および被験体01(ナヴィ)には、実験の機密性と異常性の管理を目的として、自身の身体や状態に関する情報を迂闊に話さないよう指示しました。
また、両者間でお互いの自身に関する話題を避けるよう、厳格な指示を与えました。
この措置は、観測による身体崩壊リスクの抑制および精神的安定の維持を目的としています。
被験体02(メルロウ)の手術結果を受け、組織は彼を研究員として雇用する方針を決定しました。
被験体01(ナヴィ)の失敗により、研究員としての役割は当初ナヴィに期待されていましたが、メルロウの生存と相対的な身体安定性を考慮し、彼がその役割を担うこととなりました。
ただし、記憶喪失および認知機能の低下が、研究員としての適性にどの程度影響するかは未検証です。
被験体01(ナヴィ)の解剖スケジュールは進行中であり、その結果をメルロウのデータと照合し、実験の成功率向上に活用する予定です。oo
備考
被験体02(メルロウ)は、被験体01(ナヴィ)との親密な関係を維持しており、ナヴィの隔離ユニットを毎日訪れていました。
現在、ナヴィの解剖準備に伴う隔離強化により接触が制限されていますが、関係は依然として良好です。
手術による記憶の改造により、ナヴィとの思い出は微かに残っているものの、時間の経過とともに完全な喪失が予想されます。
メルロウはナヴィの不在に目に見えて落ち込んでおり、ナヴィの口癖「大人になりたかった」と自身の「大人になりたくない」の対比が、心理的負担を増大させている可能性があります。この点について、心理プロファイリングを強化します。

oo【Chapter3: 実験記録 (Experiment Log)】
記録日: XXXX年XX月XX日
oo
現状
被験体01(ナヴィ)に対し、メビウスの輪埋め込み手術を実施しました。
途中経過報告のみを行いました。
本実験における初の生存者となり、過去の被験体とは異なり、術直後の即時死亡は回避されました。
しかし、術後検診において、ナヴィの体内に異常な変化が観測されました。
具体的には、ナヴィの身体を構成する情報が観測されるたびに、身体構造が崩壊し、急激な老化現象が進行することが判明しました。

『観測されるたびに、身体構造が崩壊し、急激な老化現象が進行する。最終的には、全身の構造維持が不可能となり、完全に崩壊する』という結果は過去に██博士が主導した第██実験において、ミュータントが複数回にわたり同様の反応を呈したことにより確認されています。

改造が成功した場合であっても、被験体が自身の情報を開示し、短期間で死亡するリスクは依然として高いため、現在までに得られている研究結果の一部は予め被験体02(メルロウ)に刷り込む形で共有する。
また、研究員(橘)には、自身の素性や来歴について一切語らないよう指示が出されており、仮に他者から該当情報について問われた場合には「改造後に技術者からそのように言われた」と答える方針が徹底されています。現在、ナヴィ研究員(橘)の外見は10代前半の少年のままですが、内部の臓器機能は70~80歳相当にまで劇的に衰退しています。
この状態では、戦闘用途のミュータントとしての活用はもちろん、研究員として雇用する当初の計画も実現不可能です。
実年齢と体内年齢の乖離により、ナヴィは大人になる前に死亡する可能性が高いと推定されます。

今後メルロウへの改造実施が想定されることを踏まえ、研究員(橘)には、自身が改造によって強い衰弱状態にあるかのように誇張して演技し、かつ自分の過去や素性について語ると死に至るという暗黙の禁則を装い、メルロウに対してそのルールを共有・遵守させるよう導く行動を取るよう命じられています。
この偽装は、改造後の自己情報の取扱いに対する警戒心と制限意識を事前に植え付けることを目的としています。
語らないことは生き延びるための絶対条件である」と被験体同士の共有知として刷り込ませることが求められています。
被験体02(メルロウ)については、実験プロトコルの大幅な改良が必要と判断され、手術は1年後のXXXX年XX月XX日に延期されました。
メルロウへ上記の約束を、日常会話や態度・体調の演技を通じて自然な形で理解させるため、1年をかけて段階的に、理解させます。
メルロウは現在も術前負荷試験のモニタリングを継続し、異常性発現の兆候を注視しています。oo
進捗
ナヴィを長期的に観察する余裕を持たない方針です。
ナヴィの存在を確定させ、処分するための解剖スケジュールを調整中です。
それまでは、ナヴィ研究員(橘)をサイト-XXの個室隔離ユニットに収容し、厳重な監視下に置きます。
被験体02(メルロウ)の手術に向けては、ナヴィの失敗データを基に、プロトコルの改良を進め、成功率の向上を目指します。
ここ数年間の観察において、極めて良好な兆候が確認されていることを受け、研究員(橘)よりメルロウの改造に向け、最終段階調整を個室環境で実施する旨の申し出があり、これを承認しています。
また、仮に改造が成功した場合には、研究員(橘)が演じるナヴィに対する手術をもって、被験体の死または消失を偽装し、研究員(橘)が組織の研究員としての役割に戻るためのルートとして転用する計画も含まれています。oo
備考
被験体01(ナヴィ)研究員(橘)と被験体02(メルロウ)は、引き続き極めて親密な関係を維持しています。
メルロウは毎日ナヴィ研究員(橘)の隔離ユニットを訪れ、対話を続けています。
ナヴィ研究員(橘)は、身体の衰弱により動き回ることはできませんが、依然としてメルロウの質問に答え、共に考える姿勢を崩しません。
しかし、ナヴィ研究員(橘)の目に見える落ち込みと、繰り返し口にする「大人になりたかった」という言葉演技は、メルロウの心理的負担を増大させている可能性があります。
なお、この心身的負担は想定内です。
施設内の全通信は遮断状態を維持し、異常事態に備え、24時間体制で監視を継続します。
oo
oo
【Chapter4: 実験記録 (Experiment Log)】
記録日: XXXX年XX月XX日
oo
現状
被験体02(メルロウ)に対し、メビウスの輪埋め込み手術を実施しました。
本手術は、被験体01(ナヴィ)研究員(橘)の反応を基に、慎重に実施されました。
結果、メルロウは生存し、本実験における2例目の初の生存者となりました。
しかし、不死の実験としては失敗と判定されました。
以下、主要な観測結果です:
・メルロウの身体構成に関する情報が外部から完全に観測されない限り、死亡状態が発生しないことが確認されました。
ただし、観測行為が進行すると、身体構造の崩壊リスクが依然として存在します。
・複数の臓器(特に肺及び胃)において、発達未了と加齢兆候が混在する異常な状態が観察されました。
被験体01(ナヴィ)に比べ、老化の進行は抑制されているものの、完全な安定には程遠い状態です。
・本来、記憶操作は実験計画に含まれておりませんでしたが、メルロウの改造以前の記憶が大幅に喪失しました。
瞬間記憶能力にも悪影響が及び、認知機能の低下が確認されています。
これらのリスクを承知の上で、実験の進行を優先しました。
現在、メルロウは隔離ユニットにて術後観察中です。
身体的・精神的安定性を評価するため、綿密なモニタリングを継続しています。
oo
進捗
被験体02(メルロウ)および被験体01(ナヴィ)には、実験の機密性と異常性の管理を目的として、自身の身体や状態に関する情報を迂闊に話さないよう再度指示しました。
また、両者間でお互いの自身に関する話題を避けるよう、厳格な指示を再度与えました。
この措置は、メルロウに関して観測による身体崩壊リスクの抑制および精神的安定の維持を目的としています。
被験体02(メルロウ)の手術結果を受け、組織は彼を研究員として雇用する方針を決定しました。
被験体01(ナヴィ)の失敗により、研究員としての役割は当初ナヴィに期待されていましたが、メルロウの生存と相対的な身体安定性を考慮し、彼がその役割を担うこととなりました。
ただし、記憶喪失および認知機能の低下が、研究員としての適性にどの程度影響するかは未検証です。
被験体01(ナヴィ)の解剖スケジュール研究員(橘)が組織の研究員としての役割に戻る日程は調整中です。は進行中であり、その結果をメルロウのデータと照合し、実験の成功率向上に活用する予定です。oo
備考
被験体02(メルロウ)は、被験体01(ナヴィ)研究員(橘)との親密な関係を維持しており、ナヴィ研究員(橘)の隔離ユニットを毎日訪れていました。
現在、ナヴィの解剖準備に伴う隔離強化により研究結果の整理およびメルロウに関する情報を徹底的に保護するための作業を進めるため接触が制限されていますが、関係は依然として良好です。
手術による記憶の改造により、ナヴィ研究員(橘)との思い出は微かに残っているものの、時間の経過とともに完全な喪失が予想されます。
メルロウはナヴィ研究員(橘)の不在に目に見えて落ち込んでおり、研究員(橘)の演じるナヴィの口癖「大人になりたかった」と自身の「大人になりたくない」の対比が、心理的負担を増大させている可能性があります。
なお、この心身的負担は想定内です。
この点について、心理プロファイリングを強化します。

oo【Chapter5: 実験記録 (Experiment Log)】
記録日: XXXX年XX月XX日
oo
現状
被験体01(ナヴィ)は、メビウスの輪埋め込み手術後の経過観察期間を終え、現在、極めて深刻な状態にあります。
外見は10代前半の少年のままですが、体内機能は壊滅的で、複数の臓器が80歳相当の老化状態にあります。
ナヴィは歩行が不可能となり、基本的な身体運動も極めて制限された状態です。
それでも、観測されない限り死亡しない特性により、生存が維持されており、本人にとって耐え難い苦痛が続いています。
被験体02(メルロウ)は、自身の手術から1年が経過し、身体の異常状態(発達未了と加齢兆候の混在)が進行中です。
ナヴィに比べ老化速度は抑制されていますが、完全な安定には程遠く、記憶喪失の影響も続いています。
oo
進捗
被験体01(ナヴィ)の解剖スケジュールが、約2年後の本日、ようやく確定しました。
組織は、ナヴィの異常性(観測による身体崩壊)を確定させ、実験データを収集するため、解剖を事実上の安楽死として実施する方針です。
(以下はその確定させる手術の前の音声記録です)
oo
音声記録(抜粋)
場所: サイト-XX 個室隔離ユニット-XX
記録対象: 被験体No.01(ナヴィ)および被験体No.02(メルロウ)
注記: 下の記録は、被験体01の解剖直前の対話を記録したものです。
[音声記録開始](隔離ユニット内、ナヴィはベッドに横たわり、身体は衰弱しきっている。メルロウはナヴィのそばに座り、縫いぐるみを握りしめている。)ナヴィ: 「俺、メルロウと一緒に大人になりたかったな……」(弱々しい声で、視線は天井に向けられている)
メルロウ: 「…頭の良いナヴィなら、きっと将来すごい研究者になって、組織に貢献できたはずなのに」(声を詰まらせ、縫いぐるみを強く握る)
ナヴィ: 「もういいんだよ、メルロウ。あーあ、メルロウの言う通り、子供のままでいられたら、大人にならなければ、ずっと生きられるのになー」
(しばし沈黙。部屋には重い空気が漂う。)メルロウ: 「ナヴィ、これ…あげる。」(震える手で手紙をナヴィの手にそっと置く)
ナヴィ: 「…手紙? メルロウ、こんなの書いてたんだ…何て書いてるの?」
メルロウ: 「ずっと願ってること…でも…読まないで、ダメだよ。ナヴィが…いなくなった後で、開けて。絶対、忘れないで」 (涙が頬を伝う)
ナヴィ: 「メルロウらしいな…わかった、約束するよ」
(再び沈黙。部屋には重い空気が漂う。)ナヴィ: 「俺、メルロウの考え方が好きだよ」
メルロウ: 「ほんと…?」
ナヴィ: 「あぁ、本当。なあ、来世で会えたら、その時は何しようか?」
メルロウ: 「…っ自己紹介、自己紹介しよう。ナヴィのこと、沢山教えて…!」
ナヴィ: 「あははっ、いいなそれ、面白そう。…ほら、メルロウ泣かないで、君が泣き虫だってバレるよ」
メルロウ: 「別に泣き虫じゃない、違うよ。……置いていかないでナヴィ、お願いだから…」
ナヴィ: 「お願いって……何度も言ってるだろ? 強く願い『続ければ』想いは叶うって…もう忘れるなよ、俺との約束」(かすかな笑みを浮かべ、目を閉じる)
[音声記録終了]記録終了後、ナヴィは手術室へ移送され、担当者のみが退出しました。
被験体01(ナヴィ)は、跡形もなく消滅しました。
oooo【Chapter6: 実験記録 (Experiment Log)】
記録日: XXXX年XX月XX日
oo
現状
被験体02(メルロウ)は、組織の研究員として正式に雇用され、実験データの解析や基礎的な研究業務に従事し始めました。
しかし、業務遂行中に異常な認知障害が観察され、影響を最小限に抑える範囲で緊急検査を実施しました。
結果、手術中に発生した内部出血により、左脳皮質の一部が不可逆的に損傷していることが判明しました。
特に、数字処理および暗算能力が著しく低下し、複雑な計算は一切不可能なレベルと判定されています。
この損傷は、本来計画されていなかった記憶操作の副作用と関連している可能性が高いです。
oo
進捗
Project Immortalにおけるメビウスの輪埋め込み手術は、被験体01(ナヴィ)および被験体02(メルロウ)の現状と過酷な負荷試験の結果を受け、全工程の延期を決定しました。
ナヴィの観測による身体崩壊や、メルロウの左脳皮質損傷など、技術的課題が解決に至っていないことに加え、倫理的懸念が組織内で議論されています。
両被験体とも、完全な手術成功(不死の達成)に至っておらず、次回の実験再開に向けたプロトコルの抜本的見直しが必要です。
現在、実験対象となる被験体は存在せず、新たな候補の収容計画も進展していません。
ナヴィの解剖データおよびメルロウの検査結果は、機密処理の上、将来の実験再開に備えて厳重に保管されます。
oo
備考
記憶の改造により、ナヴィとの思い出はほぼ喪失しつつありますが、「大人になりたくない」という信念は断片的に残存しています。
ナヴィの口癖「大人になりたかった」との対比が、メルロウの精神状態に影響を与え続けており、不安定化の兆候が観察されます。
なお、被験体02の定期診察(手術)後、執刀医が原因不明の死亡事故により失われました。
事故の詳細は調査中ですが、現時点では実験プロセスへの直接的な影響は確認されておりません。
oooo
追記
メルロウがナヴィに渡した手紙は、解剖直前に回収され、その内容を組織が入手しました。
以下が手紙の全文です:
ナヴィへ
ナヴィは本当に物知りだったね。
強く願い続ければ想いは叶う。
彼方が望んでいたのは「大人になりたくない」だけじゃない。
「ナヴィに彼方の考えを少しでも分かってほしい」とも思っていたんだよ。
ありがとう、嬉しかった。
初めて分かって貰えたんだ。
ありがとう、気持ちを教えてくれて。
最期だったけど、本当に願いが叶ったんだ。
ナヴィは本当にすごい人。
でも、ちょっとだけずるいよ。
君は大人にならない方法を知っていたんだね。
だったらもっと、早く教えてくれたらよかったのに。
君を責めたりなんてしないよ。
こうして気づかせてくれたんだもの、答えをすぐに教えてくれるんじゃなくて、一緒に考えてくれる、そんな君が大好きで、あこがれだから。
少しの間さようならだよ。
君が初めての理解者で、初めてのネスだった。
彼方はナヴィに質問をしてばかりだったけど、今回は自分で気づけたよ?
気づいちゃったらこんなに簡単だったんだね。
でもちょっと悲しいな、ナヴィは少しだけ勘違いしてるかも。
「子供のままでいられたら、大人にならなければ」これを分かって貰えただけで十分なんだけど。
わがままを言うと、「ずっと生きられるのに」は違うの。
ずっと大人になりたくないだけで、ずっと生きていたい訳じゃないんだ。
大人はみんな辛そうだから。
ずっと子供のままで、いつか静かに死にたい。
それが彼方の願い。
いつかまた出会えたら、彼方の全てを分かってね。
自分のことは上手に話せないかもしれないけど、それでもナヴィならきっと分かってくれるって信じてるから。迎えに来てね、ナヴィ。メルロウ、梅露彼方より

oo【Chapter5: 実験記録 (Experiment Log)】
記録日: XXXX年XX月XX日
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現状
被験体01(ナヴィ)は、メビウスの輪埋め込み手術後の経過観察期間を終え、現在、極めて深刻な状態にあります。
外見は10代前半の少年のままですが、体内機能は壊滅的で、複数の臓器が80歳相当の老化状態にあります。
ナヴィは歩行が不可能となり、基本的な身体運動も極めて制限された状態です。
それでも、観測されない限り死亡しない特性により、生存が維持されており、本人にとって耐え難い苦痛が続いています。

研究員(橘)は引き続きメルロウの前で演技を続けています。
被験体02(メルロウ)は、自身の手術から1年が経過し、身体の異常状態(発達未了と加齢兆候の混在)が進行中です。
ナヴィに比べ老化速度は抑制されていますが、完全な安定には程遠く、記憶喪失の影響も続いています。
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進捗
被験体01(ナヴィ)の解剖スケジュールナヴィの解剖と称して、研究員(橘)が組織の研究員としての役割に戻る日程  が、約2年後の本日、ようやく確定しました。
組織は、研究員(橘)が演じるナヴィの異常性(観測による身体崩壊)を確定させ、実験データを収集するため、解剖を事実上の安楽死として実施するという偽装を計画しています。方針です。
(以下はその確定させる手術の前の音声記録です)
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音声記録(抜粋)
場所: サイト-XX 個室隔離ユニット-XX
記録対象: 被験体No.01(ナヴィ)および被験体No.02(メルロウ)
注記: 下の記録は、被験体01の解剖直前の対話を記録したものです。
-省略-記録終了後、ナヴィは手術室へ移送され、担当者のみが退出しました。
被験体01(ナヴィ)は、跡形もなく消滅しました。
研究員(橘)は、ナヴィとしての任務を終えた後、偽装計画に基づく処置を経て、組織の研究者として元の役割に無事復帰しています。
oooo【Chapter6: 実験記録 (Experiment Log)】
記録日: XXXX年XX月XX日
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現状
被験体02(メルロウ)は、組織の研究員として正式に雇用され、実験データの解析や基礎的な研究業務に従事し始めました。
しかし、業務遂行中に異常な認知障害が観察され、影響を最小限に抑える範囲で緊急検査を実施しました。
結果、手術中に発生した内部出血により、左脳皮質の一部が不可逆的に損傷していることが判明しました。
特に、数字処理および暗算能力が著しく低下し、複雑な計算は一切不可能なレベルと判定されています。
この損傷は、本来計画されていなかった記憶操作の副作用と関連している可能性が高いです。
橘は本件に関連する損傷について、本記録時点で初めて認識したと証言しています。これにより、記憶操作の一部が橘本人には事前の説明・同意が一切なされていない状態で行われていたことが判明しています。oo
進捗
Project ImmortalProject Indeterminate Cellsにおけるメビウスの輪埋め込み手術は、被験体01(ナヴィ)および被験体02(メルロウ)の現状と過酷な負荷試験の結果を受け、全工程の延期を決定しました。
被験体02(メルロウ)に対する改造処置は安定的成功を確認。
これにより、不確定細胞を用いた人間個体への適用実験は初の成功例を記録し、当初より設定されていた目標を達成したものと認定されました。
したがって、当計画『不確定細胞ミュータント創出計画(Project Indeterminate Cells Mutant)』は、超長期研究フェーズを完了。
本実験は、ここに正式な終了を迎えます。
ナヴィの観測による身体崩壊や、メルロウの左脳皮質損傷、など技術的課題が解決に至っていないことに加え、倫理的懸念が組織内で議論されています。
両被験体とも、完全な手術成功(不死の達成)に至っておらず、次回の実験再開に向けたプロトコルの抜本的見直しが必要です。
現在、実験対象となる被験体は存在せず、新たな候補の収容計画も進展していません。

ナヴィの解剖データおよびメルロウの検査結果は、機密処理の上、将来の実験再開に備えて厳重に保管されます。
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備考
記憶の改造により、研究員(橘)が演じたナヴィとの思い出はほぼ喪失しつつありますが、「大人になりたくない」という信念は断片的に残存しています。
研究員(橘)が演じたナヴィの口癖「大人になりたかった」との対比が、メルロウの精神状態に影響を与え続けており、不安定化の兆候が観察されます。
なお、被験体02の定期診察(手術)後、執刀医が原因不明の死亡事故により失われました。
事故の詳細は調査中ですが、現時点では実験プロセスへの直接的な影響は確認されておりません。
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追記
メルロウが研究員(橘)が演じたナヴィに渡した手紙は、解剖直前に回収され、その内容を組織が入手しました。
以下が手紙の全文です:
-省略-橘は、被験体02(メルロウ)が被験体01(ナヴィ)に宛てて残した手紙の内容を既に確認済みであり、その中に記されていた自死を選ぶという思想や選択に対し、一定の驚きは見せていたものの、特に制止等の対応は行っていない。
橘は当該件について、「見守っていてあげてください」と発言しており、メルロウの意志を尊重する姿勢を明確にしている。
なお、メルロウは過ごした期間の記憶が断続的に消失しつつあるとの報告がなされており、橘はこれを受けて、今後は研究者としての立場から、メルロウの観察と記録を継続する方針が正式に決定されました。
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▽Explanation/解説
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リーダー気質な少年
この実験のために僕が演じた『ナヴィ』という少年。
彼の役割は他の被検体たちが、閉鎖空間でパニック起こさないように、精神の保ち、先に動いて信頼を獲得し、集団を一つにまとめるための潤滑剤となること。
この実験が何度も繰り返され、そのたびに全員死亡という結末を迎えているのは、あくまで人間に限った話です。動物実験では既に生存維持そのものには何度も成功しているから、負荷に耐えられないから死ぬのではなく、人間が人間だから死ぬという話です。人間は、賢い生き物です。独自の言語を持ち、自己を語り、他者に感情を委ねる術を知っている。
特に子どもはその未成熟さゆえに、自己を誰かに喋ってしまいます。それは彼らの本能であり、生きるための防衛機構のようなものなのかもしれません。
それが命取りになるんです。
だからこそ、ナヴィのようなリーダー役を配置するんです。
「自分のことは話さなくていいんだよ」
「言いたくなる気持ちは分かるけど、それが一番危ないんだよ」と、
優しく、けれど絶対に折れない意志で、語りかけ続ける。
ただ、そんな都合よくいくわけないんですよ。全員が全員、言うこと聞くほど素直じゃない。頭のいい子ほど疑ってきますし、空気を読む子ほど、自分の不安を他人に見せまいとして、心が潰れてしまいます。①自己開示をしない
②開示したら弱る
③崩壊する
この三段階を分かりやすく、明確に見せると、大体の子は気づいてくれるんですよ。人って3つくらい因果関係を目の前で見ると、納得しちゃう生き物ですからね。
でも、それを深く理解しすぎてしまう子どもがいます。理屈ではなく、構造として本質を掴んでしまう子です。そういう子の中には、避けようのない不安が芽生えます。「自分も、いずれ、ああなってしまうのではないか」と。
そうなってしまったら、もう止められません。疑念は自己破壊の起爆剤ですから。もうどうすることもできない。
皮肉な話ですよね。誰かを守るために配置されたリーダーが、真っ先に崩壊の構造を抱え込むように設計されているなんて。oo
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適材適所ナヴィのような役割…閉鎖空間で他者の感情を調整し、集団を導き、崩壊の予兆を予め背負えるような存在を演じるには、当然ながらそれに適した人格形成が済んでいることが大前提となります。立ち回りが上手く、言葉を選び、表情と声色をコントロールできる。かつ、自己を律しながらも他者に寄り添う姿勢を偽れる程度には、利他的に振る舞える少年でなければなりません。ですが、そうした人格を持つ子どもを自然に育て上げるには、膨大な時間がかかります。毎回一から用意していては、非効率的にもほどがあります。
だからこそ、僕が適任だったわけです。僕がメビウスの輪によって獲得した体質は極度の成長遅延。それによって何十年、何百年でも子供として紛れ込める。
ただこれには大きなデメリットがあります。
僕が常に紛れ込んでいる側である以上、メビウスの輪の埋め込み処置そのものは、別の誰かが担当する必要があります。処置自体は複雑ではありません。メビウスの輪の欠片を埋め込むだけ。手順を誤らなければ、人間でもできることです。
ただ、重要なのは誰がやるかではなく、誰にそれを任せたかという統制の部分です。僕がこの状態で存在し続けられるということは、すなわち、アガルタにずっと居続けるということ。そしてアガルタという場において、僕の正体が露見するようなことがあってはならない。
だから、記憶の処理は必要になります。ただし、必要な範囲で。
ところが、世の中には独断で物事を進め、場を乱す者がいます。
僕は「メルロウの記憶処理を全期間にわたって行ってください」などと、一言も言っていません。
まだ技術も、意識の耐性も追いついていない段階で、無理な負荷をかければ、当然ああなる。メルロウの脳は、物理的に傷つきました。回復の見込みは、もうありません。
この手の人物に共通するのは、統率が取れないくせに、意識だけが過剰に強く、報告・連絡・相談を軽視するという特性です。そういう人間は必要ありません。
アガルタでは、人が一人消えたところで、別に驚く者などいませんから。
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案内人
『ナヴィ』という名前の由来は、ナビゲーター(Navigator)です。
意味はそのままですね。案内人、導く者。
閉鎖空間で不安定になりやすい被検体たちを、精神的に誘導するという役割にちょうど良いと思って、僕が"適当に"名付けました。
名前って、ただの記号じゃなくて、関わる人たちとの“接点”になる道具なので。最初の印象がそのまま信頼に直結するのなら、そこに手を抜く理由はありません。それと、『ナヴィ』には、もう一つ以上の意味があります。
これはまた、別の機会にしましょう。
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